飾った写真は3000枚!ゲストを楽しませるオリジナルウェディング:ラ・バンク・ド・ロア(インタビュー )
花嫁レポ(結婚式レポ)2019.1.17 更新2016.2.23 公開
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2013年7月、横浜市の文化財「旧露亜銀行」を舞台にした結婚式場「ラ・バンク・ド・ロア」で、たくさんの笑顔に祝福された史奈さんご夫妻。「出会った人々に感謝の気持ちを伝えたい」という二人の想いは、アイデアいっぱいの個性的な結婚式や披露宴でしっかりと具体化された。その舞台裏や当時に様子について、史奈さんに振り返ってもらった。
目次
最初は結婚式をやるつもりがなかった
ー当初、お二人は結婚式や披露宴をするつもりはなかった、と伺ったのですが…。
前平さん(以下敬称略)
はい。二人とも正直、あまり興味がありませんでした。それよりも将来、家を建てるときの資金を貯めたほうがいいよね、と話していて。
ー何がキッカケで、心変わりしたのですか?
前平
彼と話をしているうちに、「そういえば、まわりの人に感謝の気持ちを伝える機会がないよね」という話になったのです。今の私たちがあるのは、これまでの人生で出会ったすべての人のおかげ。単に二人の幸せな姿を見せびらかすのではなく、きちんと感謝の気持ちを伝えるために、結婚式や披露宴をやったほうがいいのではないか、という結論に行き着きました。
まずウェディングプランナーさんを探しました
ーなるほど。ちなみにウエディングのコンセプトは?
前平
人生を楽しみ尽くしたい二人で手掛けるウエディングのテーマは、「みんなが楽しい結婚式」。参列者も、家族も、自分たちも同じくらい楽しめるウエディングという意味を込め、コンセプトを「JOYFUL SUMMER WEDDING」にしました。
ーコンセプトが決まってから、具体的に手をつけたことは?
前平
まずは、ウエディングプランナー選びです。オリジナルウエディングを手掛けている会社をインターネットで探していきました。
ー結婚式場などに常駐しているプランナーではなく、オリジナルウエディングを手掛けているプランナーに依頼しようと思ったのは、なぜですか?
前平
感謝の気持ちを伝える結婚式や披露宴にしようと決めてから、いろいろなアイデアが浮かんできたんです。それらをすべて実現するには、オリジナルウエディングを手掛けているところじゃないと無理だなと。
ーオリジナルウエディングを手掛けている会社は、無数にあります。そのなかから、どのようにして選んだのでしょうか?
前平
ホームページなどに掲載されている事例集をチェックして、探していきました。ホテル『ANdAZ TOKYO』所属のプランナーさんや黒沢祐子さんなど、実際にいろいろな方にもお会いして話も伺いしました。皆さん、オシャレで素敵なウエディングをたくさん手掛けていたので、とても迷いましたね。
ー最終的な決め手は?
前平
結局、「crazy wedding」の土屋杏理さんにお願いすることにしたのですが、決め手は「JOYFUL SUMMER WEDDING」というコンセプトに近いウエディングをプロデュースされたことがある方だったから。私たちがイメージしていたのは、ポップな雰囲気のアメリカンパーティです。「crazy wedding」のホームページにイメージにぴったりの事例が出ていたので、コンセプトを一番大切にして最終的に決断しました。
ープランナーさんには、どのように依頼しましたか?
前平
ウエディングケーキも、豪華な装花も不要。私たちではなく、とにかくゲストに喜んでもらえるようなウエディングを目指したいということを、しっかりと伝えました。
オリジナルウエディングが可能な披露宴会場を執念で探した
ーゲストに喜んでもらうウエディングを実現するためには、会場選びが重要です。どのようにして決めたのでしょう?
前平
私の出身地で、彼ともよくデートした思い出の街ということで、場所だけは横浜に決めていたのです。けれども実は、会場選びはかなり苦戦しました。手作りでいろいろ会場装飾をやろうと思っていたので、レンタルスペースを中心に探していたのですが、ひとつどうしても納得できない点があって…。
ーそれは、何ですか?
前平
お料理です。レンタルスペースの場合、どこもケータリングになってしまって、できたてのおいしい食事をゲストの皆さんに提供することができないということがわかったのです。
ー結局どうされたのでしょうか?
前平
引き続きプランナーさんにも探してもらったのですが、自分でも披露宴会場で自由度が高いところがないかを探しました。そのなかで見つけたのが、重要文化財でこだわりのオリジナルウエディングを実現できる「ラ・バンク・ド・ロア」。私たちがウエディングで実現したいことを伝え、プランナーさんが会場の了承を得てくれたおかげで、OKのお返事をいただくことができました。
運命のドレスは着た瞬間にわかる
ー無事に理想の会場が見つかって、よかったですね。では、衣裳選びはどうでしたか?
前平
実は、こちらもすぐには決まりませんでした。10ヵ所くらいまわって、50着ほど試着しましたね。素敵だなと思えるドレスは、たくさんありました。けれども試着して鏡に写る自分の表情を見たら、一発でわかってしまったんです。「私、あまり気に入ってないんだな」って。最終的に選んだのは、神田うのさんプロデュースの「シェーナ・ドゥーノ」。胸元の大きなリボンがお姫様っぽくて、かわいいなと思いました。そのドレスを着て鏡の前に立った瞬間の自分の顔は、もちろん今までで一番うれしそうでした。
ーそのほかの衣裳は、どういったものを用意したのですか?
前平
披露宴で着た「HANYWEDDING」のカラードレスは、迷いに迷ったウエディングドレスと違って一目惚れ。フラッシュモブやバンド演奏に私も参加する予定だったので、お色直しの衣裳には動きやすいようミニの白いドレスも用意しました。オーダードレス専門店「ブライダルアモーレ」で作ってもらったのですが、かわいくてリーズナブルで大満足でした。
ゲストが参加して楽しめる「体験型」ウエディングを目指した
ーここからはいよいよ、コンセプトである「JOYFUL SUMMER WEDDING」をどのように具体化していったのかについて、お聞きしたいと思います。
前平
ゲストの皆さんが参加できる、「体験型」にこだわりました。挙式の宣誓では、6人の友人に誓いの言葉を投げかけもらい、承認のサインも参列者からいただくスタイルに。ちなみに家族にもしっかり参加してもらうという意味で、介添えの役目は私の母と妹にお願いしました。
ーとても楽しそうな挙式ですね。では、披露宴はいかがですか?
前平
まず、ゲスト全員が登場するオープニングムービーを用意することにしました。映像を通じてゲストを紹介できますし、みんなでつくるウエディングであることを伝えたかったのです。壁には、私たちの誕生から現在までを大きな紙に書き記した年表を、その頃の写真とあわせて貼り出すことにしました。それを見てゲストの方に当時のことを懐かしんでもらったり、私たちのことをもっと深く知ってもらえたりできればいいなと考えたのです。年表に添える写真の総数が3000枚ほどになったのですが、プランナーさんたちのおかげで、何とか当日に間に合いました。
ーほかには、どのようなことを?
前平
ゲスト席より一段高い席に座るとゲストの方と距離ができてしまうのが嫌だったので、高砂席を用意しませんでした。ゲスト全員が、私が大好きなひまわりを手に周囲の人とじゃんけんをし、勝った人がどんどんひまわりを集めて花束を作っていく「花束じゃんけん」という企画も用意しましたね。
ーゲストの皆さんにご家族のことをよく知ってもらうためにも、いろいろ工夫したそうですね。
前平
はい。披露宴の入場は、私たちだけでなくそれぞれの家族が縦一列に並び、汽車ポッポのスタイルで登場するようにしました。また歓談タイムに母親がゲスト席をまわる際のコミュニケーションツールとして、母の顔写真と名前が入った「オリジナルビスコ」も用意したんですよ。
ーオリジナルアイテムと言えば、確か乾杯のドリンクも…。
前平
そうです。夏ということもあって、乾杯はシャンパンではなくビールでしょ、という話になったのです。おもてなしの気持ちを表すために、茨城県にある「手造りビール工房 木内酒造」で、オリジナルの「前平ビール」を造って提供することにしました。
家族の意外な一面が見られてうれしかった
ーそのようにいろいろと準備を重ねて、2013年7月19日に無事本番を迎えました。振り返ってみて、一番うれしかったことは何ですか?
前平
私たちがウエディングをやるきっかけになった、感謝の気持ちをゲストの皆さんにしっかり伝えることができたこと。その証拠に披露宴が終わってすぐ、何人もの友人から「そんなにも私のことを大切に想っていてくれてありがとう」というメールをもらいました。
ーウエディングに興味がないという話をしていたときに、思いとどまってよかったですね。
前平
本当にそう思います。ゲストの方に喜んでもらえただけでなく、家族の意外な一面が見られるという、思わぬ収穫もありましたし。
ー具体的には、誰のどのような一面が?
前平
私の父親です。強面でいつもは『ゴルゴ13』のような険しい顔をしているのに、年表に貼られた私の幼かった頃の写真を見て目尻を下げている姿にびっくり。あのような優しい眼差しの父を、初めて見ました。また、普段は物静かな彼(主人)が、実はあんなにしゃべる人だったということも、この日初めて知ったのです。そういう新しい発見ができたという意味でも、ウエディングを行ってよかったですね。
ーちなみに、もう一度やるとしたら、次はどのようなウエディングにしたいですか?
前平
もう一度やりたいとは、まったく思わないです。生まれてから今までの二人の想いや、これらからの展望などを、いろいろな表現を通じてゲストの皆さんにすべて伝えることができた。しかも、想像以上の笑顔と祝福のおかげで「幸せ度1000%」になれました。私たち二人にとって、「JOYFUL SUMMER WEDDING」を超えるものは、あり得ないと思っています。
▼Wedding Profile
前平和輝さん&史奈さんご夫妻
挙式日時/2013年7月19日
挙式・パーティ会場/ラ・バンク・ド・ロア
プランナー/crazy wedding
ドレス/シェーナ・ドゥーノ
HANYWEDDINGのカラードレス
ブライダルアモーレ
食事/フレンチ
オリジナルビール/手造りビール工房 木内酒造
オリジナルビスコ/スマイルビスコ
写真/折山正樹
ビデオ/前田比都美
引出物/Ron Hermanのカップ+ミラーセット(女性)orタオル(男性)
プチギフト/カラフルなお菓子
■タイムスケジュール
11:00 挙式
11:30 屋上で記念撮影
12:00 披露宴スタート
12:10 ウエルカムスピーチ
12:20 乾杯
12:25 歓談
12:40 二人の年表発表
13:00 歓談
13:15 余興
13:45 お色直し
14:05 フラッシュモブ
14:20 バンド演奏
14:35 感謝の手紙朗読
14:50 新郎お礼の挨拶
14:55 新郎新婦退場
15:00 山下公園で記念撮影
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