【ナイトウェディング2016】第12回 常識にとらわれない大人のナイトウエディングを作るためのWEDDING TIPS

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「ナイトウエディング」と一言で言っても、そのスタイルは無限大。今回は、長年ブライダル誌で新しいウエディングスタイルを提案し続け、ウエディング業界の中で絶大な支持を得ているアートディレクター生駒知子氏に、大人花嫁だからできる「ウエディングの枠にとらわれないふたりらしいウエディングスタイル」を作り出すヒントを取材しました。

ブライダルクリエイター生駒知子さんプロフィール

プロフィール

ブライダルクリエイター 生駒知子

20年間ブライダル業界に携わり、現在はフリーエディターとして活動中。「ゼクシィ」シリーズの表紙ビジュアルディレクターをはじめ、ドレスストーリーやスタイル提案の撮影を主に担当。結婚式のプランニング、雑誌や広告のディレクションなど幅広く手掛ける。

結婚式にルールなんてない! もっと自由でもっと楽しいもの

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今回お話を伺った生駒知子氏は、新しい発想で大人の斬新なウエディングスタイルを作り、世の中に発信し続けるブライダル業界のアートディレクター。生駒氏が提案するウエディングは、新郎新婦が夜景の中ヘリコプターで登場してくるヘリポートでのウエディング、平日の夜から緩やかに始まるアフター5ウエディング、その他にもトレッキングウエディングやファームウエディングなど、既存の枠に囚われずかつ自分たちらしさを見失わないセンスフルなものばかり。また、それらは全て一般の花嫁が実現できるプランとなって提案されているのも嬉しい。そんな生駒氏が新しいウエディングスタイルを作る時に大切にしていることとは。

「今は結婚すれば結婚式をやるのが当然という時代では無くなってきています。結婚式をやらないという選択肢もある。そんな花嫁さん達が“これならやりたい”と思ってくれるような結婚式って、きっとやり尽くされた画一的な結婚式ではないのかな、と。もっと純粋にふたりが楽しいと思えるものを素直に取り入れた結婚式ができるんだということを、伝えられるように提案しています。」(生駒氏)

読者の中にも、結婚式自体やるかやらないか、を考えた人も少なくないはず。それでもやると決めたら、ぜひふたりが楽しいと思えることを既存のプログラムに捉われずに取り入れて。今回はその方法もたっぷりアドバイスします。

ふたりが楽しい!と感じる過ごし方を、ウエディングを掛け合わせると◎

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結婚したふたりが楽しいと感じられるものを取り入れること、それを意識した結婚式も増えてきているとはいえ、結婚式の定番となっているアイテム、演出、ディスプレイにふたりのテーマをブレンドするのが今一般的に多いこだわり方。

「結婚式は一世一代のイベント。そのイベントにどう自分たちらしさを加えるか、結婚式はどういう場であることが「楽しい」と思えるものかを考えることが大切です。一番考えやすいのが、ふたりの“好き”にまつわるものと結婚式を掛け合わせること。私はその掛け合わせで、新しさを生むことをいつも考えています。」(生駒氏)

例えば、サーフィンが好き、トレッキングが好き、シネマが好き……など、好きなものが楽しいと思えるのなら、パーティ中に皆でサーフィンできる演出があってもいいし、ゲストとトレッキングを楽しみながらパーティ会場へ向かうのもありだし、みんなでフィルムを見る時間があってもいい。大好きなゲストと一緒に、ふたりが心地よく感じる時間を過ごすのも、粋なウエディングの一つに。

デイでもナイトでも、ウエディングで実現できる選択肢は増えてきている

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友人の結婚式の列席経験もある大人花嫁なら、どんなウエディングならやりたいか、少しでもイメージが出きているのでは? そのイメージをどこまで自由に実現できるかが気になるところ。

「昔と比べ、花嫁たちの“こだわり”に対する感度は高くなってきて、またその“こだわり”を実現できる場も増えてきた、という印象があります。結婚式はまず会場選びから始まる場合が多いですが、選ぶ会場によってやれるウエディングも違ってくる時代から、どの会場でもこんな素敵で楽しいウエディングができる、と言える選択肢の多い時代になりました。」(生駒氏)

たくさんの選択肢がある、そう思える一方で、会場が決まるとやっぱり会場にある選択肢から選びだすのがスタンダード。同じ会場でも選択肢を広げようと思うには“発想の転換”が必要だそう。

自由なウエディングをするために発想を変えたい、時間と空間の使い方

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常に新しい発想でセンスフルなウエディングを提案してきた生駒氏が感じている、自由なウエディングが実現できる時代の到来。ではウエディング初心者の花嫁たちは何を意識すれば、それができるのでしょうか。

「まずは選んだ会場にある部屋の雰囲気や、実例に捉われないこと。そして特に時間の使い方と、空間の使い方を変えていけば、自由な選択肢はいくらでも広がるということを意識してほしいです。」(生駒氏)

例えば、挙式30分からパーティ3時間へのスタンダード流れがあっても、その3時間30分をその流れ以外で使うことだって考えてOK。いつもは素敵な椅子やテーブルが置いてあるパーティ仕様の会場でも、その部屋にラグとクッションを置いてホームパーティのようにくつろぎながら皆で映画を見ることだって実現できる。普段の経験や会場の見た目から思い込んでしまっている“こう使うべき”という時間と空間の使い方を、見直してみることが自由なウエディングへの第一歩に。

ナイトウエディングの魅力は“大人の粋な時間”そして“ロマンティック”であること

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時間と空間の使い方を変える……なんとなく今までのウエディングの流れが染みついている花嫁にとって、思いもよらない提案なのでは?そんな生駒氏の感じているナイトウエディングの魅力とは。

「夜の時間を存分に楽しむことができるのは、やっぱりある程度粋な遊びを知っている大人なのかな、と思います。そういう意味でナイトウエディングは大人が遊び心たっぷりに過ごせる粋な時間に演出できる。そして何より夜景や光の装飾、星空の下のウエディングはロマンティック!私が提案するナイトウエディングはこの2つの魅力が生きるように考えています。」(生駒氏)

大人の粋な時間、ロマンティック、この2つの魅力を生かしたナイトウエディングにするために、どのようなポイントを大切にするべきか更に伺いました。

【ナイトウエディングのポイント1】場所、流れ、装飾……どこにインパクトを置くかが重要

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ウエディングを作る上で、どこに“インパクト”を置くかはとても重要。そして足し算と引き算のバランスが大事だと生駒氏。

「夜のパーティは親近感が高まったり大人がわくわくできる時間帯。大人達は仕事などで忙しく、時間を使うことに何か意味がないと満足できないもの。そんな大人に納得してもらうおもてなしをするためには、まずどこかインパクトを付けること。何にインパクトを付けるかは人それぞれで、インパクトのある場所、プログラムの流れ、装飾……などいろいろあります。インパクトを残すには、それ以外の部分は潔くシンプルに。」(生駒氏)

生駒氏が今まで提案してきたウエディングはこのバランスが常に絶妙。ぜひ参考にして。

【Ikoma’s Plan 装飾にインパクト】ホテル内で都会のリゾート空間を演出

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招待された場所は都内のホテルのはずなのに、会場に足を踏み入れた瞬間、そこはナイトリゾート空間。会場の中心に置かれたグランドピアノを囲む用に放射線状にゲストテーブルが配置され、そのテーブルにはパームツリーを大胆に装飾。ツリーには光の装飾も加え、ロマンティックかつまるでリゾートの森の中にいるようなパーティに。

【Ikoma’s Plan プログラムにインパクト】平日の夜、仕事終わりに集まり祝うアフター5ウエディング

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大人のゲストがメインなら、平日の夜、仕事終わりに行くのが楽しみにできるウエディングパーティを設定するのもアリ。ゲストには開催日と開場する時間だけアナウンスし、仕事を終了したら各々の時間で集まってもらう。開場後はパーティを始め緩やかに集まってくるゲストを迎え入れながら進行し、ゲスト全員が集まったところでクライマックスの挙式に。スタンダードな挙式からパーティへ行く流れを変えるだけでなく、平日の仕事終了後というゲストにとっても力を抜いてパーティを楽しめる時間帯に設定したまさに大人のためのウエディング。

【Ikoma’s Plan 演出にインパクト】バンケットがプラネタリウムに! ゲストと一緒に星空を眺める時間を

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ゲストハウスの中の普段はバンケットとして使われている会場。そこにある机や椅子などを全て外し、ゲストには自由に床に座ってもらったり寝転がってもらったり……そうして始まるのはプラネタリウムの演出。そこで存分にゲストに星空の美しさに癒されてもらった後、会場の外に移動しガーデンナイトパーティの開始!

【ナイトウエディングのポイント2】ナイトウエディングを楽しんでもらえるゲストを選んで呼ぶ

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ナイトウエディングが良いと思っても、招待しようとしているゲスト層や家族のことを考えると躊躇してしまう花嫁も多いはず。実際ゲストの中に高齢の方や子ども連れの方がいると、まず選択肢から外れてしまうことも。

「ふたりがやりたい結婚式の形があるなら、それを実現することをまず考えてほしい。そしてふたりのやりたい結婚式を最大限に楽しむために“ゲストを選ぶ”ことは間違っていないと思っていて、ゲストもパーティの雰囲気を作り出す大切な一要素と考えています。ナイトウエディングに込めた遊び方を分かち合える、一緒に盛り上がれる大人ゲストを選んで招待すると、そこにちゃんと意味が生まれ、より楽しくなります。」(生駒氏)

ゲストを選ぶ、というと強気な印象ですが、ゲストに合わせてパーティを開く、という考え方をすると◎。ナイトウエディングをするなら、その楽しみを共有できるゲストをぜひ招待して。

呼びたいゲストの特徴ごとに、ウエディングは何度でも開けばOK

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ナイトウエディングに合うゲストを選ぶとなると、呼びたいけど呼べないゲストが出てくることも。そう考えて、ナイトにすること自体を諦めてしまうより、楽しみ方を変えて何度もパーティを開くという新しい考え方にシフトを。

「私の考えですが、結婚式は何回やってもいいと思っていて、呼ぶゲストごとにスタイルを変えてウエディングが行えることをもっと提案していきたいです。全てを大々的に行うというよりは、それぞれの形で理解できるゲストに集まってもらって、規模は大小あっていいと思います。一度に万遍なくゲストを呼んで全てのゲストに喜んでもうウエディングにしようとすると、どうしても万人受けする安定感のある会場・プログラムになります。」(生駒氏)

いわゆる「ザ・ウエディング」から一歩進んだ結婚式にしたいと考える大人花嫁なら、生駒氏のいうスタイルでもぜひ検討を! 例えば、家族中心の挨拶を主にしたフォーマルパーティ、子連れもOKなファミリーゲストを中心にしたパーティ、大人ゲストを向けのナイトパーティ、などタイプの違うゲストに向けたパーティをそれぞれ実施しすればお互いが最大限に楽しめて、思い出の時間に。全てのパーティを盛大にやろうと考えなければ、実施のハードルも低くなるはず。最近では、デイタイムに親族中心の結婚式、その後友人中心のパーティという2部制のスタイルを選択する花嫁が増えている事実も。

【ナイトウエディングのポイント3】招待状からの事前アナウンスをとにかく大切に

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パーティの所要時間、会場、プログラム、演出……ウエディングに決まりはない。生駒氏のお話を伺うと、ふたりだけの新しいウエディングがどんどん作り上がってきそう。

ただ生駒氏はそんな新しいスタイルを提案する上で、招待状に必ず力を入れると言う。

「夜から行うウエディングである、外で料理を食べる、地べたに座る時間がある……、一般的でない新しいウエディングスタイルに快く出席してもらうために、まず招待状の時点で“今回のウエディングはこうなんだ”と理解してもらうよう事前アナウンスすることが大事です。」

招待文の下に注意事項として一文入れるというだけでなく、招待状のデザインも貰ったときに何か新しいスタイルのウエディングであることが分かるようなものにしたり、何を楽しんでもらうパーティなのか(料理を楽しんでもらう、夜景を楽しんでもらう)を、事前にきちんとアナウンスしておくと、ゲストも心地よく出席しやすい。もちろん、当日まで何が起こるかシークレットにするのも演出の一つになるけど、ゲストにとってストレスに当たらない程度のシークレットに留めておくのが◎。

まとめ ウエディングに思い込みは厳禁! 視点を広げて新しいナイトウエディングを

ナイトウエディングを成功させるポイント

・時間と空間の使い方を自由に考える

  • インパクトを置く部分を決めたら他は潔くシンプルに。バランスが大事。

・ゲストごとに時間や形式を変えて、それぞれとの時間を楽しむと◎

・パーティの趣旨、プログラムの一部など招待状の事前アナウンスを丁寧に

一般的なウエディングから一歩進んだ、センスフルな一日にしたいと考える時、それを一番阻むのが普段からの“思い込み”。時間と空間の使い方を既存の例に捉われず工夫することはもちろん、その新しいスタイルを理解してもらうこと、理解してくれるゲストを呼ぶことで、みんなが満足できるウエディングに。

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