【ナイトウェディング2016】第6回:“絶妙な司会”でナイトウエディングは更に盛り上がる!
演出プログラム、装飾、料理……ウエディングでこだわりたい様々なファクターがある中、つい「パーティの司会」というとこだわりが低めになる花嫁さんも多いのでは? 実は式当日のパーティのムードは「司会」の力で盛り上げる部分が大きいのです。今回はナイトウエディングを盛り上げるための司会術を、バイリンガル司会者のジャスティン・パターソン氏にたっぷり伺いました。
連載2018.7.31 更新2016.5.24 公開
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目次
司会によって大きく変わるウエディング当日のムード
Happy Couple #wedding #oxford #magdalen / Podknox
式の準備中、ついつい時間をかけて悩んでしまうのはドレスや装飾、演出……etc.それらがどんなに素敵なものに決まっても、肝心のゲストがパーティを楽しんでくれるかは、当日のテンションや、スムーズな進行などで作り出されるフィーリングが大きいもの。そんなパーティ現場のムードを作ったり、ゲストの気持ちを盛り上げたりするのは、当日の司会者の重大な任務。おもてなしも楽しみも、全て押さえた絶妙な大人のナイトウエディングにしたいなら、司会者のセレクト&打ち合わせをしっかりと行って。
入場曲と司会者の第一声が、パーティの空気を決める
日本でも数少ないバイリンガルの司会者で、ウエディングのみならずブランドのレセプションパーティなど様々な司会をこなすジャスティン・パターソン氏曰く、「式の雰囲気を決めるものは、BGMと司会!音楽や司会はパーティのムードを一変できる要素です。僕が一番大事だと思っているのは、新郎新婦が入場するときのBGMと、司会者の第一声。その声色で、その日のパーティのテンションをゲストに伝えることができます。」と断言。
確かに、しっとりと落ち着いたアナウンスで始まるパーティと、勢いのよい第一声でスタートするパーティとでは、空気が大きく違ったものになるはず。
どんなテンションの声も表現できるのがプロの司会者
Microphone / alexindigo
第一声だけでそこまで変わるもの? そう思っている読者に聞いてもらいたいのが以下のパターソン氏のサンプルボイス動画。今回は4種類のテンションを表現してもらいました。まずはご覧ください。
まずは「アカデミー賞風」のパーティのスタートアナウンス。煌びやかなショーの始まりを感じることができます。
こちらは「晩餐会風」の第一声。先ほどとアナウンスの言葉は変わらないもの、しっとりした声色から感じられる、大人が愉しめる至福のディナータイム。
打って変わってこちらが「野外ライブ」を想起させるような始まりの合図。最初からテンションをぐっと引き上げ、オールナイトパーティを予感させる発声が気持ちいい。
日常生活と離れ、まるでディズニーのキャストのようなちょっと抑揚を効かせたコミカルな第一声も、非日常を感じさせたいナイトウエディングにはぴったり!
いかがでしたか? このサンプルボイスを聞くと分かる通り、パーティの第一声を聞いただけで、今日のパーティのテンションはこうなんだ、と伝わってきます。
「司会者の身体は楽器と一緒。どんなテンションも声で表現できます。だから司会者には、どんなパーティにしたいのかを事前にしっかりオーダーし、パーティの始まりにゲストの心をがっちり掴んでもらうことが大事です。」(パターソン氏)
司会者には具体的なシーンを伝えてオーダーすると◎
1988 Academy Awards, view from my balcony seat / Alan Light
司会者との打ち合わせとなると、当日のプログラムを見せながら必ず言って欲しい事項を確認、大体のゲストやパーティの雰囲気を伝えて「後は当日よろしく」となるパターンも。先の動画でお分かりの通り、こういうパーティにしたいというイメージがあるなら、事前にどんどん伝えるべき。
「よく楽しい司会をしてほしい、とオーダーされることが多いのですが“楽しい”にも色々ある。具体的なシーンでオーダーされると、イメージが湧きやすいです。例えば、“音楽ライブのように”とか“アカデミー賞のように”など、想像しやすいシチュエーションを伝えると、司会者との打ち合わせもうまくいきます。」(パターソン氏)
確かに、楽しくしたいと雰囲気で伝えるより、具体的な場面を伝える方がよりスムーズな意思疎通ができて、流れだけの確認に終わらないパーティを素敵に仕上げる効果的な打ち合わせになりそう。
デイとナイトで司会の役目や盛り上げ方が変わってくる
Wedding – Ana & Hugo / emilianohorcada
式の進行を速やかにアナウンスするだけでなく、場のムードを作る役割をもつ司会。実は昼や夜といったパーティの時間帯によっても、司会者の持つ効果は違うものになるとパターソン氏。「デイパーティはまだ一日の中盤なので、ゲストをあまり疲れさせないよう主に司会台に立ち、スムーズな進行を意識します。ナイトパーティは一日のクライマックスの時間帯。ゲストの気持ちも開放的になっているので、司会も会場内を歩きながら突撃取材……など、司会進行だけでなく“エンターテイナー”のような一面を出すと盛り上がることができます。これはナイトだからできる魅力です。」
ユニークな司会で演出もできるのがナイトウエディングの良さ
Tuxedo / colink.
せっかく夜の時間を楽しむパーティだから、思いっきり気分を盛り上げたい!そんな花嫁の思いを形にするもの、その一つが司会者。効果的に盛り上げたいなら、司会者をプログラムを進行する役と考えて選ぶより、演出の一つと考えてユニークな司会者をセレクトしてみては? パターソン氏に司会者を活用したおすすめのナイトウエディングの演出を聞きました。
【おすすめ演出1】新郎新婦の入場前に、司会者の入場!
Canon EOS REBEL T3i EF50mm f-1.4 USM ISO 2500 1-100 sec at f – 1.4.jpg / Dak Films™
「ふたりの入場の前に司会者の入場、を入れるのはオススメです。例えば僕なら、バイリンガルという特徴を生かして、「Ladies&Gentlemen!」という第一声と共にスポットライトを浴びて入場するだけでも、ゲストの期待感を高めたりできます。」(パターソン氏)
バイリンガルという特徴の司会者に限らず、例えば声優をやっている司会者ならキャラクターボイスで始まりのアナウンス、司会者の落語から始まるパーティ、ふたりの入場前にラップ調で紹介が始まる……などの例も実際にあったそう。主役の入場前に、司会者でムードを醸成してくれるコンテンツとしてぜひ取り入れてみては?
その際は、司会者のプロフィール欄の特技や副業などをチェックし、何か演出として協力してもらえそうなものがないかの視点でセレクトすると◎
【おすすめ演出2】会場内のゲストの中を歩きながらの司会も小粋な演出
Riots Communities and Victims Panel reception / RiotsPanel
前に紹介した司会者の入場は、ゲストの注目を司会者が浴びる形になるけど、逆に司会者がゲストの近くを歩いて、サプライズインタビューなどをしながら盛り上げる方法も。「僕の担当したナイトパーティは立食ビュッフェも多かったので、ゲストが楽しんでいるスペースを練り歩き、ゲストと距離を縮め一緒の目線からパーティを進めることもありました。その場の会話やインタビューなどを通して、会場に一体感が生まれます。絶対に注目してほしいときだけ司会台に戻ります。」(パターソン氏)
会場の提携の司会者以外をセレクトしてもOK
due microfoni / www.ilmicrofono.it
司会者にこだわりがある花嫁さんから、よくSNSや検索経由で仕事の依頼をもらうこともあるというジャスティン氏。ふたりのパーティにピッタリの司会者を求めて、会場の提携以外のところで探すのももちろんOK。 フリーの司会者をまとめる事務所などもあるので、ぜひネットでチェックを! ただし、会場によっては別途手配料(持ち込み料)などがかかる場合もあるので、それぞれの条件などを確認してからがベスト。
【セレクト方法1】「ふたりに合う司会者」はサンプルボイスを聞いて判断を
The Composer / dvanzuijlekom
司会者のプロフィールだけ見ていても分からない実際の声色や雰囲気。ぜひ手に入るならサンプルボイスを聞いてみて。サンプルボイスを聞いたら、まずはふたりのフィーリングが一番。そのアナウンスがふたりにとって心地いいものかで判断を。司会者の話すテンポや間の取り方でフィーリングが大きく変わってくるので、意識して聞いてみて。
【セレクト方法2】司会者の副業や特技、ホテルでの司会経験を確認
hotel / fsse8info
エンターテイメントとしての司会者のセレクトを考えているなら、司会者のプロフィールで副業や特技をチェックすることを忘れずに。 ホテルでの司会経験があるかも重要なチェックポイント。「色々な会場がありますが、ホテルはスケジュール、スタッフとの連携、ゲストへの配慮、全てにおいて厳しく管理されていて司会者としても緊張が必要な場所。ここでの経験があれば、他の場所に行っても満足の行く司会を務められると思います。」(パターソン氏)
【セレクト方法3】日本人or外国人?それぞれの良さを把握して合う司会者を
Excelsior Hotel Gallia Party-0824 / BreakingTravelNews
今現在、司会者は日本人が圧倒的に多いけど、パターソン氏のような外国人の司会者にお願いしてもいいかも……と思っている花嫁さんも多いのでは? それぞれの司会者にいいところがあるので、ぜひその良さを考えながらセレクトしてみて。
日本人の司会者のメリット
日本のウエディング文化がよく分かっているので、打ち合わせやダンドリの段階から、式の代表的な流れや、ゲストへのおもてなしの対応について熟知しており、安心して対応を任せられる。
外国人司会者のメリット
海外のパーティ文化を知っていて自身も経験が豊富なため、フレンドリーで一緒に楽しめ、機転を利かせてくれることも多い。例えば、イレギュラーが起こった時のアドリブが上手だったり、細かい台本が無くてもその場の雰囲気に合わせて盛り上げたり、自身の経験から意外なパーティの楽しみ方を知っていることが役に立つことも。
海外のゲストが来ている式では、プログラムだけでも母国語で
Casamento Francine e Rodrigo / Igor Menezes Fotógrafo
ナイトに限らず、海外からのゲストが参加するパーティもあるはず。そんな時、バイリンガルの司会者じゃないと……と思わなくても大丈夫。
「全てを通訳することは難しくても、これから何をするのか、今は何の時間なのか、プログラムをその人の母国語でアナウンスしてあげるだけで、パーティは一層楽しくなると思います。ポイントは英語でなく、母国語で、一言だけでもアナウンスを入れること。僕が色々な言語を経験した中で、一番難しかったのはモンゴル語とドイツ語です(笑)」(パターソン氏)
パターソン氏はモンゴル語とドイツ語の独特の発音をマスターするのに、かなり練習したそう! それでも司会者が母国語で一言でも伝えてくれれば、それだけでおもてなしの心が伝わるので、ぜひ取り入れてみて。
Justin’s Ideas「長くなりがちなゲストのスピーチに司会を上手く利用して」
Reception / terrypresley
最後に、パーティ文化の根付いたアメリカ出身のパターソン氏より、日本のウエディングに対しての提案を伺いました。
「日本のウエディングでいつも疑問なのは、ゲストのスピーチがとても多く長いこと。特に強いこだわりがあるわけではなく、礼儀としてスピーチを入れていますよね。ふたりも、スピーチするゲストも、どちらかというと形式的にスピーチを採用し何人も続くことに最初は驚きました。 例えばそのスピーチも、司会者を上手く利用してインタビュー形式にするとか、スピーカーの一方通行で終わらないコミュニケーションにすると、楽しいコンテンツになると思いますよ!」
from BLESS編集部
「ナイトウエディングの司会に必要なのは、ゲストとのコミュニケーション!」
式当日、気持ちのいい空気を作りだすために重要なのは、やはり司会者。特に場の雰囲気で楽しむナイトウエディングなら、ぜひ司会者のセレクトにもこだわりを持つことがおすすめ。進行アナウンスがメインの司会ではなく、ふたりやゲストの気持ち、そして場の雰囲気を読み取り、臨機応変にコミュニケーションができる司会者を選べれば、それだけでゲストへのおもてなしに繋がるはず。
司会者 ジャスティン パターソン
1,000組以上のカップルの船出を最高に楽しいものにしてきたバイリンガル司会者。
米国テキサス州生まれ、41歳。日本歴21年。日本語と英語を両方屈指し、場を盛り上げ、軽快なトーク、通訳、会場が弾むインタビューが大好評。婚礼の場に限らず広告やブランドなど様々なパーティの司会として第一線で活躍。