結納とは?地域によって異なる結納・顔合わせのしきたり完全ガイド
新郎は関東、新婦は関西と人の行き来が簡単な近年ではよくある事ですね!いざプロポーズをして結納を行うことになったけど、両家の親の言っていることが違い話が進まなかったり、「こんなことも知らないなんて非常識だ!」と結婚の話さえ危うくなるトラブルになり兼ねません。 結婚の話をスムーズに進める為にも、お互いの地域の結納について知っておくと便利ですよね☆そんな方たちの為に、地域によって違う結納についてまとめました。
結納2022.11.28 更新2016.10.27 公開
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結納とは?種類と方法について
結納とは「結婚の約束」を公にするために行う、伝統的なスタイルの儀式です*
結婚の約束をした証として、両家の間で金品を取り交わし、婚約を確かなものにします。
男性側にとっては、大切な娘を嫁に出す女性側の親に対し、誠意の気持ちを表す場にもなります。二人にとって、気持ちの上で大きな節目になり、また責任や覚悟を新たにする大事な式です。
結納の種類と方法
●正式結納
正式結納は、仲人が両家を往復して9品の結納品(目録)や結納金を届けるスタイルです。
正式結納はまず仲介人を立て、以下の順序で両家を行き来します。
②仲人は女性宅を訪問し、口上を述べて男性側からの結納品を渡したあと、女性側からの受書と結納品を受け取って退出する
③仲人は再び男性宅へ戻り、口上を述べて女性側からの受書と結納品を渡したあと、男性側からの受書を受け取って退出する
④仲人は再び女性宅へ戻り、口上を述べて男性側からの受書を渡す
⑤女性側は受書を受け取った後、仲人を酒肴で仲人をもてなして酒肴料としてお礼金を渡す
仲介人とは…?
本来は男女が知り合うきっかけをつくり、縁談から結婚式、披露宴まで両家の間をとりもってまとめる役目の人の事を言います。
仲人は、見合いのときは「世話人」、結納では「使者」、挙式・披露宴では「媒酌人」と、それぞれの役割ごとに、違う呼び名で呼ばれる場合もあります。
両家 のしきたりや考え方、意見の相違などの調整、相談役となったりしましたが、現代では恋愛結婚が主流で、本来の仲人の役割というのは殆ど必要なくなっています。婚約に立ち会う仲人の役割は二人の婚約の証人になることになります。
●略式結納
出典:https://hotel-chinzanso-tokyo.jp
仲人を立てる場合と仲人を立てない場合があり、両家がどちらかの家やホテル、料亭などに、一堂会して結納を交わします。結納品(目録)の数も減らしライトなスタイルで、仲人を立てない場合は、新郎の父親が進行役となることが多いです。
儀式は以下のような手順で進めていきます。
②男性側からの結納品を納める
③女性側が目録を確認して受書を渡す
④女性側からの結納品を納める
⑤男性側が目録を確認して受書を渡す
⑥婚約記念品を披露し、結びの挨拶の後祝宴に移る
結納品で用意するもの
長熨斗(ながのし)…のしアワビ。長寿をイメージ
御帯料(おんおびりょう)…結納金をいれる
末広(すえひろ)…白い扇。末広がりの繁栄を願って
友白髪(ともしらが)…白い麻糸。白髪になるまで夫婦仲良く
子生婦(こんぶ)…昆布。子孫繁栄を表す
寿留女(するめ)…スルメ。末永く幸せを願って
勝男武士(かつおぶし)…鰹節。男性の力強さをイメージ
家内喜多留(やなぎだる)…酒樽。家庭円満をイメージ
※9品、7品、5品など、2つに割れない奇数の品数で用意します。
7品目は9品目から勝男節と家内喜多留を省略し、5品目は7品目から寿留女と子生婦を省略します。
●関東式
結納品は9 品目が正式で、白木の献上台に、5~9品目をのせます。
また、男女どちらも結納品を用意しますが、地域によっては、女性が2品少なくすることもあります。
●関西式
結納品9~11品目を1品につき1台の献上台にのせます。関東式にくらべ、飾りも豪華なのが特徴です。
結納当日の服装は?
服装はセミフォーマル以上、両家の格を合わせます。
結納は改まった席なので、それなりに身なりを整える必要があります。現在では完璧な「正礼装(フォーマル)」で、というのは珍しく、「準礼装(セミフォーマル)」であれば問題ありません。
また、結婚する女性のみ、結婚すると振袖は着ることができなくなるため、正装である「振袖」を着て出席する場合もかなり多いようです。
いずれにしろ、いちばん大切なのは、参加する人の服装の格をそろえることです。例えば、本人同士と両親、また男性側と女性側の服装の格が違う…というような事態は避けましょう。必ず事前に両家で相談を行いましょう。
正装
仲人(男):紋付袴・モーニング
仲人(女):留袖
父 :紋付袴・モーニング
母 :留袖
本人(男):略礼服(ブラックスーツ)
本人(女):振袖
略装(準礼装)
仲人(男):略礼服(ブラックスーツ)
仲人(女):訪問着・付け下げ・色無地
父 :略礼服(ブラックスーツ)
母 :訪問着・付け下げ・色無地
本人(男):ダークスーツ
本人(女):訪問着・ワンピース
顔合わせとは?
顔合わせとは、両家の両親や家族を引き会わせることで、【ふたりがお互いの家族を紹介し、両家の親睦を深める】という、婚礼行事の一つとなっています。
本来両家の両親や家族が正式に顔を合わせる場として結納がありますが、最近はこの結納もかなり簡略化されてきており、その簡略化された結納の一つとしてこの顔合わせがあります。
結納とは違い、決まった式次第やルールがなく、食事をしながら会話を楽しみます。
一般的な顔合わせは、会食を交えながらホテルやレストランで行われます。このとき一緒に婚約指輪を贈ったり記念品を交換したりもします。
一般的な顔合わせの流れ
1,待ち合わせ
親同士に面識がない場合はそれぞれの家族と合流して会場に向かうのがいいです。そうすれば、両家が先に会ってしまい、気まずい思いをすることは避けられます。また、予約時間の5分前には会場に着くようにしましょう。
2,新郎から挨拶
お店に入り席に案内されたら、結婚をする二人を代表して新郎が挨拶をします。カジュアルな食事会でもきちんと挨拶をすることで場が引き締まるので是非行いましょう。
~挨拶の例~
「本日はふたりのためにお集まりいただきありがとうございます。このような会を開くことができ、とても嬉しく思っています」
「本日は私たちの為にお集まりいただきありがとうございます。両家の親睦を深める楽しい会にしましょう!どうぞよろしくお願いいたします。」などと述べましょう。
3,両家が自分の家族を紹介
新郎側、新婦側の順で、本人がそれぞれの家族を紹介します。共通の趣味やプロフィールなどの話題を織り交ぜると場が盛り上がります。
4,婚約記念品の交換(ある場合)
婚約記念品の交換は、料理が運ばれてくると中断してしまうこともあるので、食事が始まる前に済ませます。交換したら出席者に笑顔で披露しましょう。結納金がある場合もこのタイミングで取り交わします。
5,乾杯し、会食・歓談タイム
乾杯の挨拶や音頭は新郎や新郎の父親が行うケースが多いです。事前に決めておくのがおすすめです。
料理はお店にコースを頼んでおけば、皆が同じペースで料理を食べられるので、スムーズに進行しやすくなります。ふたりはアルコールを控え、積極的に話題を提供しながら、両家が親睦を深められるように気を配りましょう。
6,記念撮影
お店の人に頼んで撮ってもらいましょう。お酒を飲むと顔が赤くなってしまう人もいますので、乾杯前に済ませておくのもひとつの手です。
7,新郎または新郎の父親から締めの挨拶・ふたりからお礼の言葉
食事が終わったら、二人そろって挨拶をしましょう。親への感謝の気持ち、結婚に向けて今の気持ちを話しましょう。新郎の父親が挨拶をするケースもあります。
~お会計~
折半、二人持ち、どちらの会計でも二人で先に済ませましょう。どちらかがさりげなく席を外して支払いをするとスマートです。
顔合わせの服装
新郎
黒またはダークスーツにしましょう。ネクタイは派手すぎない物を選んでください。料亭の場合は靴を脱ぐので靴下にも気を配りましょう。
新婦
上品で清楚なワンピースがおすすめです。ミニスカートはNGです。アクセサリーなどを付けて品よく地味になりすぎないようにしましょう。
両家母親
スカートスタイルまたはワンピースがおすすめです。よそいきを意識しつつ、主役の二人より派手にならないようにすることが大切です。
両家父親
基本的には新郎に合わせ、黒またはダークスーツにします。顔合わせを慶事と考えてネクタイは白またはシルバーを選んでも大丈夫です。
【地域別】結納・顔合わせのしきたり
地域別にご紹介していきます*しっかりと確認し、両家でよく話し合って決めてくださいね♡
北海道
結納の実施率が全国で一番低いとされているのが北海道です。
本州以南に古くから伝わる伝統や風習にとらわれず、結納の実施率は低く顔合わせが主流です。行う場合は関東式に準じ結納品は7品目が一般的で、女性宅、またはホテル、料亭などで行われます。
結納金は給料の3か月分である50万円や100万円などのキリのいい金額を「御帯料」として贈ります。家族書や親族書は用いられないことが多く、健康診断書が添えられる場合があります。
結納返しは、男性側からの結納金の2割~3割程度を「御袴料」として返しますが、最近では洋服やアクセサリーを贈ることも多くなっているようです。
東北地方
結納金は100万円が平均的なようで関東式で行われます。各地域で結納金の名称とその金額は異なります。
青森では結納のことを「結納立て(ゆいのうたて)」、秋田では「さけたて」「たるたて」「くちがため」と呼ばれることもあります。
宮城県の結納でも用いられる「貰受状」とは「嫁に貰います」という内容のもので、男性側から女性側へ贈ります。女性側から男性側には「嫁に参ります」という「進参状」が贈られます。
結納返しは洋服やアクセサリーを返す場合もありますが、多くは結納金の2割から3割、または半分を「御袴料」として返す「半返し」が一般的です。
女性宅で行われることが多いとされていますが、ホテルや料亭の使用も増えています。
関東地方
関東では一般的に正式な9点セットです。
全ての結納品を1つの台の上に載せ、男性・女性の両家が同じ結納品を用意して交換します。
しかし、女性の場合は男性から受け取った結納品の半額程度の品を贈ります。関東式の結納を行う地域では「結納を取り交わす」といいます。
中部地方
中部地方の結納は関西式と同じで、1台に1品を飾ります。豪華な飾りが特徴で、呉服細工(反物で宝船や鯛、酒樽を形作ったもの。あとで着物に仕立てる) が添えられることもあります。
また、先祖に線香を贈ります。中部地方の結納金は30万から50万、100万が多くなっていますが、20万や70万の場合もあります。
結納の前の大安や友引に「決め酒(きめざけ)」という前祝いが行われることもありますが、近年は現象の傾向にあります。
石川県や福井県では結納品に着物服地が加えられることがありますが、現在では洋服を贈るのが一般的です。名古屋市では鯛や樽、宝船など華やかな呉服細工が贈られます。
近畿地方
結納は関西式で行われ、結納品は5品目、7品目、9品目が一般的ですが、化粧品なども入れると15品目や23品目となる場合もあります。
三重県の伊勢地方の結納は他の地域と比べて品数が多いのが特徴で、ネックレス、和傘、洋傘、履物、足袋、下駄などが贈られますが、これは「向え傘」「向え下駄」と呼ばれる風習に由来しています。
また大阪では、女性側から男性側へ記念品を贈る習慣があります。
中国地方
中国地方では関西式での結納が主流で、結納品は5品目、7品目、9品目が贈られます。結納金は50万から100万が一般的ですが、30万円の場合もあります。
広島では女性からの結納返しにご先祖様へのご挨拶をという意味を込めてお線香を贈る風習もあります。
山口県では僅かなお金を入れた紙包み二つを結納品に添える「百飛喜(ひゃっぴぎ)」というしきたりが残っていますが、これは名刺がわりという目的と、喜びを分かち合うという意味が込められています。
四国地方
結納は関西式が主流で結納品は5品目、7品目、9品目、結納金は50万、70万、100万円が一般的です。
結納返しは男性側よりも少ない金額を返すが、現在はアクセサリーを贈るほうが多いようです。
愛媛県の松山地方では、「波喜茂野(履き物)」、「多美(足袋)」を贈る習慣がありますが、現在では代金を贈ることもあります。
九州地方
結納は関西式が主流で、結納品は、7品目または9品目が一般的ですが、11品目を用意する場合もあります。結納金は50万、70万、100万円が多いようです。
結納の前に新郎側から新婦側へ清酒と真鯛を現品で贈る風習があります。
また、「御知家(おちや)」という箱や壷に入れた番茶を贈るならわしがあります。
これは、お茶が「一度植えるとしっかりと根を張る」ことから、結婚する女性が婿方の家にしっかりと根を下ろして欲しいという願いが込められているものです。
沖縄
沖縄地方では関東式が主流で結納品は9品目が一般的です。沖縄での結納金の相場は、お給料の2~3ヶ月分を、目安に考えます。
沖縄では結納返しが無いケースもありますが、結納金100万円、結納返し50万円くらいが相場と言われています。奇数の金額が吉数と去れているため、50万円や70万円にしたり、「555,555円」などにして、縁起を担ぎぐこともあります。
結納は、海が干潮から満潮までの間に、行われます。これには、「潮が満ちていくように、2人の結婚も、上向きに発展して欲しい」という願いが込められています。
また、結納品のお酒は泡盛をつかい、天ぷら3点セットとして「サーターアンダギー」や「カタハランブー」、「松風」を用います。
まとめ
結納・両家の顔合わせの実施状況
両方行った :8.5%
結納のみ :2.4%
両家の顔合わせのみ:人は84.7%
結納金の全国の相場
100~150万円未満:69.8%
50~100万円未満 :19.1%
平均:94.9万円
結納実施者の結納返しの形式
品物 :44%
現金 :22.3%
結納返しはしていない:34.6%
結納返しで品物を贈った人
腕時計:46.9%
スーツ:24.3%
結納返しで現金を贈った人
50~60万円未満:37.7%
10~20万円未満 :30.8%
平均:38.2万円
ほとんどの人が「結納」または「両家の顔合わせ」を行っていることが分かり、今は顔合わせが大半を占めているようです。
実際に結納を行なった花嫁さんブログ
実際に結納を行った花嫁さんのブログを紹介します。
●めぐのウエディング・ダイアリー
結納をするにあたっての経緯や当日の流れが分かりやすく書いてあります。また、婚姻届の証人欄にその時に記入をしてもらったようです。読んでいて「結納」が改めて素敵な事だと思えます。
●ゆうきのウエディング・ダイアリー
仙台のホテルで略式結納を行った花嫁さんです。結納の段取りや準備の事も書かれており参考になります。
●タム〜の花嫁ブログ
親と揉めに、揉めて実家で結納を行った花嫁さんのブログです。ひとつ前の揉めていた内容のブログも伝えなければ分からない親との考えの違いが分かり、伝える事の大切さが分かります。
まとめ
同じ結納でも地域によって結納品の数や物、手法が違ったりと準備が大変です。結納、顔合わせどちらにしても、大切なのはお互いの家と家を結びつける気持ちです。お互いに違いを認め合ってよく話し合いスムーズに結納、顔合わせを行いましょう!