国際結婚すると苗字はどうなる?【氏名・戸籍・子供】手続き方法を確認!
外国人のパートナーとの結婚が決まったけれど、私たちの苗字はどうなるの…?そんな疑問を抱えている方、必読です!国際結婚の苗字に関する手続き方法から夫婦別姓のメリット・デメリットまで、徹底的に解説します*
結婚の手続き・報告2024.8.7 更新2021.8.19 公開
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目次
外国人と国際結婚したら、日本人の名前はどうなるの?苗字手続き一覧
日本人同士でもお悩みポイントになる、結婚後の苗字。最近では夫婦別姓の話題も多く、迷っているカップルも多いですよね。
でも、国際結婚における苗字は、日本人同士の結婚とは異なるルールが決まっているんです!
まずは、国際結婚をした時の氏名変更4パターンの手続き方法を解説します♩
国際結婚時の氏名変更パターン
CASE1. 手続き不要!国際結婚の基本は【夫婦別姓】
国際結婚の場合、基本は【夫婦別姓】となります。この場合、改姓の手続きは必要ありません。
2024年7月現在、日本人同士の結婚の場合は「夫婦同姓」が法律(※ 民法750条)で定められていますが、これは国際結婚には適用されません。
日本人には戸籍がありますが、外国人には日本の戸籍がありません。ですので、「どちらの戸籍の姓を引き継ぐか?」という選択肢がないのです。
夫婦別姓の場合でも、パスポートにカッコ書きで外国人配偶者の苗字を併記することができます。
例:山田 花子とOliver Cookが結婚した場合のパスポート表記
結婚前 | 結婚後 | |
姓 | YAMADA | YAMADA(COOK) |
名 | HANAKO | HANAKO |
CASE2. 日本人が外国人の苗字に変更する手続き
婚姻成立後6ヶ月以内であれば、市区町村の役所で日本人の姓を外国人の姓に変えることができます。
手続きは、市区町村役場に『外国人との婚姻による氏の変更届』を提出するだけ!婚姻届と同時に提出するとスムーズです。
手続きに必要なもの
- 外国人との婚姻による氏の変更届
- 届出人の印鑑
- 本籍が届の提出先と異なる市区町村の場合、戸籍謄本1部
- 身分証明証
ここで注意したいのが、日本の戸籍には
- 漢字
- ひらがな
- カタカナ
しか使えないこと。簡体字・繁体字などの中国漢字やアルファベットなどは入力できません。
例:山田 花子とOliver Cook(オリヴァー・クック)が結婚した場合
結婚前 | 結婚後 | NG例 |
山田 花子 | クック 花子 | Cook 花子 |
日本人の戸籍名が外国人の姓に変わるので、パスポートなどの名前も外国人の姓に変更する必要があります。
外国人の名前にミドルネームがある場合は?
外国人のミドルネームを日本人の姓に入れられるかどうかは、配偶者の国籍によって異なります。
- ミドルネームは苗字の一部:日本人姓に入れられる
- ミドルネームが名前の一部:日本人姓に入れられない
外国人のミドルネームが苗字として扱われているのであれば、『外国人との婚姻による氏の変更届』でミドルネーム込みの苗字を登録することが可能です。
市区町村の役所で届出ができないことも…?
市区町村役場では、婚姻手続き時に登録した外国人配偶者の苗字でしか届出ができません。登録されていないミドルネームなどを追加したい場合、家庭裁判所への届出が必要です。
また、婚姻後6ヶ月以降に外国人配偶者の姓に変更する場合は、家庭裁判所への手続きと役所への届出が必要になります。
CASE3. 外国人が日本人の苗字に変更する手続き
外国人が日本人の苗字に変更したい場合、外国人の母国の法律に基づいて氏の変更手続きを行います。外国人の母国の役所か、在日大使館などで手続きが可能です。
配偶者ビザが交付されたあとに本名を変更すると、旧姓のままになっている在留カードの記載事項変更手続きが必要なので要注意!
また、日本の法律で外国人の本名を変えることはできませんが、日本での「通称(通名)」を設定することはできます。
外国人が日本で使える「通称」って何?
外国人が日常的に使用している日本式の名前を「通称(通名)」として登録すると、住民票や運転免許証などにも記載されます。「役所が公認している呼び名」と考えるとわかりやすいですね。
一般的には通称の登録申請のハードルは非常に高いです。でも、婚姻している場合であれば、最寄りの市区町村役場で簡単に登録することができます!
「通称」の登録手続きに必要なもの
- 通称記載申出書
- 本人確認資料
- パスポート・戸籍謄本・在留カードなど、婚姻がわかる資料
日本の戸籍と同様、通称名に使えるのは
- 漢字
- ひらがな
- カタカナ
のみとなります。
通称を設定するだけでは本名は変わららないので、「通称」は在留カードやパスポートには記載されない点に留意しておきましょう。
CASE4. ダブルネーム(複合姓・複合氏)を登録する手続き
日本人の姓と外国人の姓両方が含まれる苗字のことを「複合姓」と言います。
この「複合姓」の登録には、事前に家庭裁判所の許可が必要です。婚姻届の提出と同時に手続きすることはできません。
複合姓の使用を認められるかどうかは、裁判所の判断となります。必ずしも認められるわけではなく、却下された判例もあります。
日本人の姓と外国人の姓どちらを先にするかは、夫婦で相談して決めればOK!字面や海外現地での見られ方なども考慮しながら検討しましょう。
例:山田 花子とOliver Cook(オリヴァー・クック)が結婚する場合
日本語表記 | アルファベット表記 |
山田クック 花子 | Hanako YamadaCook |
クック山田 花子 | Hanako CookYamada |
複合姓が認められて変更手続きが完了すると、日本人の戸籍謄本(戸籍証明書)に「氏の変更」が追加され、氏名欄が新しい名前に更新されます。
日本の配偶者ビザを申請する場合は、氏名変更が終わってから手続きを行いましょう。
参考:家庭裁判所での手続きが必要なケース
- ダブルネーム(複合姓・複合氏)に変更する
- 姓として認められないミドルネームを氏名に追加する
- 特別永住者の通称名に姓を変更する
- 帰化前の氏名に変更する
国際結婚で夫婦別姓を選ぶメリット・デメリットは?
国際結婚の場合、戸籍や氏名の扱いが夫婦それぞれの国籍で異なるため、基本は【夫婦別姓】となります。
夫婦別姓を選ぶことによるメリット・デメリットをチェックして、苗字検討の参考にしてみましょう!
メリット1:手続きが簡単
国際結婚で苗字を変える場合、家庭裁判所に行かなくてはならない場合もあり、手続きが煩雑です。
日本では、何もしなければ夫婦別姓となります。特別な手続きがいらないことは、大きなメリットだと言えるでしょう。
メリット2:名義変更手続きがいらない
日本の場合は現状【夫婦同姓】しか認められておらず、どちらかが相手の姓に合わせる必要があります。そのため、姓を変更した側は、
- 免許証
- パスポート
- マイナンバーカード
- 健康保険証
- 銀行口座
- クレジットカード
- 携帯電話
…などなど、大量の名義変更手続きをしなくてはなりません。これらの名義変更手続きが不要だということだけでも、夫婦別姓に大きなメリットを感じられるはずです。
メリット3:カタカナにしにくい・読みにくい苗字でもOK
「スミス」「ジョーンズ」など、カタカナにしやすく日本人でも読みやすい苗字であれば、さほど支障はないかもしれませんが…
例えば、アラビア語圏の「Nabulsi」さん。カタカナ表記すると
- ナーブルスチーズ
- ナーブルシー
となりますが、少々無理がありますよね。。病院などで名前を呼ばれる際に、読みにくくて困ってしまう可能性もあります。
もしパートナーの苗字がカタカナ表記にしにくい場合や発音しにくい名前でも、夫婦別姓であれば支障を感じるシーンを減らすことができます。
メリット4:男女で苗字が違う国でもOK
例えばロシアでは、男女で読み方が異なる姓があります。
「チャイコフスキー」は、女性なら「チャイコフスカヤ」。「プーチン」は、女性だったら「プーチナ」となります。
しかし、日本の法律では、
- 婚姻の届出と同じ苗字
- 漢字・ひらがな・カタカナ
でないと登録することができません。このような場合でも、夫婦別姓であれば問題なく対応できますね。
メリット5:自分の家の苗字を残せる
日本の多くのカップルが男性の姓に合わせるため、一人っ子や姉妹のみの場合は苗字が絶えてしまうことがあります。
国際結婚なら夫婦別姓が法的に認められているので、自分の家の苗字を確実に残すことができますね。
デメリット1:出産後、親子の苗字が異なる
夫婦別姓の場合、生まれてきた子供とどちらかの親の苗字が異なります。
「子供と親は同じ苗字がいい!」と考えるのであれば、夫婦の姓を合わせた方が良いでしょう。
逆に、「子供が外国姓だといじめられるのでは?」という理由で、夫婦別姓を選ぶ方もいるようです。
デメリット2:”家族になった感”を感じにくい
日本では夫婦同姓が原則なので、「結婚=苗字を揃える」というイメージが強いです。
夫婦の苗字が違うことに、「家族になった感じがしない」「結婚したのに独身のままのように見られてしまう」というデメリットを感じる方もいらっしゃいます。
国際結婚した先輩は?口コミをCHECK!
実際に国際結婚した先輩方は、夫婦別姓・夫婦同姓どちらを選んだのでしょうか?
こちらの記事で詳しい調査結果や口コミを紹介しています↓ぜひチェックしてみて!
国際結婚したら、日本人の国籍や戸籍はどうなるの?
国際結婚の場合、国籍や戸籍がどうなるのかも気になりますよね。日本は二重国籍を認めていないため、手続きが必要になる方も…!
それぞれのパターンについて、簡単にチェックしていきましょう。
日本人男性が外国人女性と結婚をする場合の国籍
・ お互いが国籍を変えない
国籍の手続きは一切不要です!一番シンプルなパターン。
・ 女性が日本に帰化する手続きを行う
女性が「帰化申請」を行い、日本国籍を得ます。外国籍は失われ、日本国籍のみとなります。
日本人女性が国際結婚をする場合の国籍
日本人女性が外国籍の男性と結婚する場合、相手の国によっていくつかパターンがあります。
・ アメリカなど、原則手続き不要の場合
お互い自分の国籍のままでよければ、手続きは一切不要です!
・ フランス、タイ、エジプトなど場合によって手続きがいる場合
女性の国籍を一緒にできる国の場合、女性がどちらの国籍にするか選ぶことができます。
女性が日本国籍のままでよければ、手続きは不要です。
女性が相手の国籍を取得したければ、『意思表示の届け出』を行うことで、パートナーの国の国籍を得られます。
日本は二重国籍を禁止しているため、結婚相手の国の国籍を取得すると、日本国籍を失います。
・ 中東諸国、エチオピアなど必ず手続きが必要な場合
結婚すると自動的に男性側の国籍を取得する国もあります。
この場合女性は二重国籍となってしまうため、2年以内にどちらの国籍にするか選択する手続きが必要です。
・ 男性が日本に帰化する場合
男性が「帰化申請」を行い、日本国籍を得ます。外国籍は失われ、日本国籍のみとなります。
外国人と結婚したら、自分の日本戸籍はどうなる?
外国人は、日本で戸籍を作ることができません。戸籍上は、日本人の戸籍に外国人と婚姻したことが追記されます。
自分が「戸籍の筆頭者」になると、その戸籍にパートナーの情報を追記することができます。
国際結婚カップルの、子供の苗字はどうなるの?
では、国際結婚した場合の子供の苗字はどちらになるのでしょうか…?
子供の苗字は、子供をどちらの国籍にするかによってルールが異なります。
日本国籍の子供の苗字
日本国籍の子供の場合、子供は日本人側の親の戸籍に記載されます。
そのため、夫婦が同姓でも別姓でも、日本人側の親の苗字となります。
外国籍の子供の苗字
子供が外国籍となる場合は、国籍のある国の法律に基づいて苗字が決まります。
\戸籍や国籍については、こちらの記事をCHECH/
国によって苗字の考え方は違う!ふたりでしっかり相談して◎
日本では夫婦同姓が原則ですが、苗字の考え方や扱い方は国によって異なります。
文化や法律が違うからこそ、ふたりで&ふたりの家族とよく相談して、ベストな苗字を選んでくださいね♩
国際結婚は日本人同士の結婚より手続きが大変。。ビザやパスポートなどにも支障がないよう、入念に準備を進めましょう!