結納の目録と受書とは?書き方や包み方・作成時の注意点などを詳しく紹介!
婚約のしるしとして結納の際に両家で取り交わす「目録(もくろく)」と「受書(うけしょ)」。地域によっても準備するものが異なります。相手に失礼がないようにするためにも、記載する内容や書き方を事前にチェックしておきましょう♪
結納2021.8.25 更新2020.12.29 公開
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目次
結納の目録と受書とは?
結納の際に準備する書類である、「目録」と「受書」の意味や必要性を紹介します。
結納の目録とは?
婚約の儀式の結納では結納品を贈ります。この結納品を記載した書類が「目録」。
結納品を贈る男性側が用意をし、「◯月◯日、◯◯◯◯様にこちらの品を贈りますのでお納めください」と記載されています。
昔は仲人が結納品を新郎から預かって新婦へ届け、仲人が目録を確認し品物が揃っているかをチェックした上で、新婦宅へ届けるのが主流でした。最近では仲人を頼まない場合やレストランやホテルで行う略式結納で行うことも多いものの、納品書のような役割を果たすため目録は必要です。
結納品の数に注意!結納品の数は縁起が悪いとされる3・5・7・9など割り切れない奇数で品目を準備するのがマナーです。簡略化する場合は、5・7品目で揃えます。
目録の渡し方は3つあります。
- 中味のみを手渡す
- 外表紙のまま渡す(一般的な方法)
- 広蓋・切手盆に乗せて渡す(丁寧な方法)
外表紙のまま渡す場合は、目録の形状にあった台に乗せて渡します。丁寧な方法で渡したい場合は、広蓋・切手盆に乗せて渡すのがよいでしょう。
目録には関東式・関西式・九州式がある
そもそも結納は「関東式」「関西式」「九州式」があります。
関東式と関西式・九州式の違いを表にまとめたので紹介します。
特徴 | 結納金のお返し | 目録の必要性 | |
関東式 |
| 男性側からもらった半額背程度を「御袴料」として贈る | 男性側と女性側 |
関西式 |
| なし(日を改めて結納金の一割程度をお土産として持参) | 男性側のみ |
九州式 |
|
関東は互いに結納品を贈り合うため、結納のことを「結納を交わす」と言います。互いに結納品を贈り合うので、男性側と女性側どちらも目録が必要です。
一方関西式では、男性側のみが品物を贈るため「結納を納める」と呼びます。男性から女性に結納品を贈るため、目録は基本的に贈る側のみが用意をします。
それぞれのエリアに当てはまる地域は以下の通りです。
- 関東式エリア:北海道・東北地方・関東地方・新潟県・静岡県・沖縄県
- 関西式エリア:関西地方・東海地方(静岡県以外)・北陸地方(新潟県以外)・中部地方・中国四国地方
- 九州式エリア:福岡県・佐賀県・長崎県・大分県・熊本県・宮崎県・鹿児島県
新郎新婦で関東と関西・九州など実家の場所が分かれている場合は、どの形式にするか話し合いが必要です。
家系によっては、伝統を重んじるために「他のスタイルは認めない」と考える人もいます。結婚は両親も関係するものなので、まずは親に相談してから決める方がよいでしょう。
結納の受書とは?
「受け書」とは結納品を受けとった証となる書類です。「◯月◯日、◯◯◯◯様から、これらの品物を確かに受け取りました」と記載されていて「受領書」の役割を果たします。
本来であれば結納品を受け取る側が、結納品の内容を確認して直筆で受書を書いていました。しかし、結納を効率よく進める為に、当日書くことが少なくなり事前に準備して持っていくことが多くなったのです。
事前に贈る側に「受書の用意をしたい」と伝えて目録内容を確認し受書を作成するのもOK♪また、最近では品物を把握している贈る側が、受書も一緒に用意することが増えています。
相手に受書は必要ないと言われても、結納品を受け取ったら受書を用意するのがおすすめです。後からお金に関するトラブルが起こる可能性もあるため、不要なトラブルを防ぐことができますよ。
目録の内容がわからない場合や結納直線に準備した場合「受書」はどうする?目録の内容がわからない場合は、受け取る側が感謝の気持ちや受け取った旨を文章で表現した受け書を用意すればOKです。
台に乗せるのが正式な渡し方です。関東式の場合は受書の形状が縦長なので、バランスを考えて台を用意する必要があります。
贈る側が受書を用意する場合
贈る側が受書を作成した場合は、受け取る側が品物が揃っているか確認してから受書の名前の部分に捺印を押して返す流れとなります。贈る側が受書を作成し、結納前日までに渡しておけば時間を取られずに済むためスムーズに結納を済ませたい人におすすめです。
しかし、家柄などによっても伝統を重要視するかどうかが異なるため、事前に両家で話し合ってどちらが用意するか決めるようにしましょう。
略式の場合は目録がない場合も
略式で結納を行う場合は目録がないこともあります。「目録を準備しない」と決めているのに用意するのはマナー違反となり、相手方に失礼になるため用意をしない方がよいでしょう。
結納品目録の書き方と内容は?
目録は品目を書いた紙を紙で包んで、熨斗と結び切りの水引をつけるのが正式な形です。目録は上質な白い和紙の「奉書紙(ほうしょがみ)」に書きます。
サイズに決まりはありませんが、53×39.5cm程度の奉書紙を使うのが一般的。お祝いごとであるため、黒の濃い墨で毛筆で縦に書くのが正式な仕様です。
以下では関東式と関西式別に目録の書き方や記載する内容を紹介します。
関東式結納の目録の書き方と内容
品目の書き方は全て「一、」と頭に付け、並べて数えることに注意してください。
品目を書き終えたら、「右之通幾久敷芽出度御寿納被下度候也(みぎのとおり いくひさしく めでたく ごじゅのうくだされたく そうろうなり)」や「右之通り幾久しく敷目(芽)出度く御受納ください」と記載します。
「以上」は付けなくてもOKです。また、日付は「吉日」と下につけるのもよいです。
宛名は「〇〇家」やフルネームでの記載となります。結納は婚約の儀式でもあるため、お父さんの名前を記載するのがよいです。結納品を受け取る側には「様」と敬称をつけてください。
名前の漢字は失礼に当たるため、間違えないように丁寧に記入しましょう。
関東式結納品9品目の書き方と内容・数え方
関東式は9品目が正式です。目録も品目のひとつとして数えます。結納品を全て白木の台に載せて贈るため、品が縦長の形状です。
品目名 | 内容 | 数え方 |
目録(もくろく) | 結納品の品名と数 | ー |
長熨斗(ながのし) | 長寿の象徴であり、干したアワビを長く伸ばしたもの | ー |
末広(すえひろ) | 純粋無垢や末広がりの意味がある純白の扇子 | 対 |
友志良賀(ともしらが) | 白髪になるまで仲良くを意味する白い麻糸 | 連 |
金宝包(きんぽうづつみ) | 結納金を包んだもの(御帯料と記載するなど地域によって異なる) | 封 |
子生婦(こんぶ) | 子宝に恵まれる意味がある昆布 | 台 |
寿留米(するめ) | 末長くの思いを込めたするめ | 台 |
家内喜多留(やなぎだる) | 一家の幸せを願う酒樽 | 封 |
勝男節(かつおぶし) | 男性の力強を象徴し、永遠の意味が込められている鰹節 | 連 |
- 3品目の場合:目録・長熨斗・金宝包
- 5品目の場合:目録・長熨斗・金宝包・友志良賀・末広
- 7品目の場合:目録、長熨斗・金宝包・寿留米・子生婦・友志良賀・末広
指輪を目録に入れる場合は偶数になってしまうため、何か一つ加えて奇数になるように調整しましょう。
関西式・九州式結納の目録の書き方と内容
※九州式と関西式では結納品の飾り方が異なるだけで、目録の書き方に違いはありません。
目録は「茂久録」と表記する場合もあります。
品目を書き終えたら関東式同様に「右之通幾久敷芽出度御寿納被下度候也(みぎのとおり いくひさしく めでたく ごじゅのうくだされたく そうろうなり)」や「右之通り幾久しく敷目(芽)出度く御受納ください」と記載するのが一般的。
日付は「吉日」と下につけるのもよいです。
さらに、関西では婚礼は家単位と考えられていることが多いため、宛名は家主である親または希望であれば本人を記載します。結納品を贈る側を「〇〇家」、受け取る側を「〇〇家様」としましょう。フルネームを記入する場合は敬称なしでOKです。
関西式・九州式結納品9品目の書き方と内容・数え方
関西式では目録は品数に含まれず、地域によっては21品目で飾ります。品物を別々に飾りが豪華な台に載せ、金屏風や松・竹・梅・鶴・亀などで飾るため華やかです。
九州地方では結納のしきたりを重んじるため、角樽(清酒)、御知家(お茶)、家慶鯛(御鯛)などを持っていく「久喜茶(くきちゃ)」や「「寿美酒(すみざけ)」などの習慣もあります。
関西式も関東式同様に以下の9品目が正式です。
品目名 | 内容 | 数え方 |
子生婦(こんぶ) | 子宝に恵まれる意味がある昆布 | 台 |
優美和or結美和(ゆびわ) | 婚約指輪 | 環 |
長熨斗(ながのし) | 鶴飾り | 連 |
高砂人形(たかさごにんぎょう) | 翁と姥の人形 | 台 |
寿留女(するめ) | 末長くの思いを込めたするめ | 台 |
松魚料(しょうぎょりょう) | 魚を持参する代わりのお金 | 封 |
寿恵廣(すえひろ) | 純粋無垢や末広がりの意味がある純白の扇子 | 対 |
小袖料(こそでりょう)または御帯料(おんおびりょう) | 結納金 | 封 |
家内喜多留料or柳樽料(やなぎだるりょう) | 酒肴料で円満な過程を願って贈られる | 封 |
関西地方では結納金・酒料・肴料を包み、松竹梅の水引飾りの下に置きます。九州地方では松の下に結納金を置き梅の下には寿留女、竹の下には子生婦を置くのが一般的です。
関西地方か九州地方かでも並べ方がことなるため注意してください。
- 5品目の場合:小袖科・家内喜多留料・松魚料・長熨斗・寿恵廣
- 7品目の場合:小袖科・家内喜多留料・長熨斗・寿恵廣・友白良賀or高砂人形・子生婦・寿留女
結納品目録の包み方と表書きの書き方
目録の仕上を包んで仕上げる時、関東と関西では形状が異なります。
関東式の縦長、関西式の正方形(やや縦長)の2タイプがありますが、汎用タイプなのは関西式です。
それぞれの目録の折り方と包み方を手順にそって紹介します。
関東式結納の目録の折り方と包み方
関東式の目録の折り方と包み方は以下の通りです。
STEP1:目録を横にして、蛇腹折で6つ折にする。
STEP2:別の奉書紙を裏面を面にして置き、中心よりも少し左側に6つ折りにした目録を縦に置く。
STEP3:紙の右側の先端が左側にフィットするように折り目をつけ、左側の紙をかぶせる。
STEP4:上を折ってから下も同じ寸法で折って完成。
蛇腹折とは山折谷折りを端から均等幅で折る方法です。スリムな形状ですが目録を開きやすいですよ。
関西式結納の目録の折り方と包み方
関西式の目録の折り方と包み方は以下の通りです。
STEP1:目録を縦2つ折りにして折った部分を下にする。
STEP2:左から1/3のところから折り、さらに2/3のとこりから折り三つ折りにする。
STEP3:別の奉書紙を裏面を面にして置き、中心よりも少し左側に三つ折りにした目録を置く。
STEP4:紙の右側の先端が左側にフィットするように折り目をつけ、左側の紙をかぶせる。
STEP5:上を折ってから下も同じ寸法で折って完成。
何度も折り直すと見た目が汚くなってしまいます。軽く折り目をつけてちょうど良ければしっかり折ると美しく仕上がりますよ♪外包みの表書きには「目録」や「寿」と書きます。
関東式関西式問わず、中身を取り出すときいは水引は外さずに下を広げて中身を取り出すのが正しい方法です。
結納セットを利用するのもおすすめ!
受書や目録を含む結納に必要なアイテムが揃っている結納セットも販売されています。略式結納から、伝統的な結納で使うセットも販売されているため便利です。別々に準備せずにすみますよ♪
また、結納セットを購入すると、目録と受書を在籍している筆耕のプロが内容を筆で書いてくれるサービスが提供されていることもあります。無料か有料かはお店によって異なりますが、筆書きが不安な人は筆耕サービス付きかどうかもチェックしておくとよいでしょう。
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受書の書き方と内容は?
受書は目録同様、53×39.5cm程度の上質な白い和紙「奉書紙(ほうしょがみ)」に黒の濃い墨で毛筆で縦に書くのが正式な仕様です。結納当日、女性側は受書の中の受け取る側の名前に掛かるように印鑑を押し、男性側に渡します。
受書の書き方は4パターンあり、関西式か関東式かや目録の有無などによって書き方や内容が異なります。以下の見本を参考にしてみてください。
結納品の品目の内容がわかる場合の受書(関東式)
関東式は基本的に目録と同じ内容を箇条書きにします。「右幾久敷御目出度 御受納仕り候也」や「右の通り幾久しく敷目出度く受納致しました」の文言を書き、日付を入れます。
日付の最後に「吉日」と入れるのもよいです。目録と合わせるとよいでしょう。
また、署名や宛先は目録とは逆になります。署名に結納品を受け取る側の名前を宛名に贈る側の名前を入れます。
結納品の品目の内容がわかる場合の受書(関西式)
関西式も結納目録の内容がわかっている場合は、同じように記載します。小袖料や松魚料、柳樽料は「金◯萬園也」など、具体的な金額を記入する場合もあります。数字は「壱、弐、参….」の大字を使用してください。
結納品の品目の内容がわからない場合の受書(関東と関西共通)
相手の目録内容がわからない場合は上記のような受け書を作成します。関東と関西共通の受書です。「目録の通り幾久敷芽出度受納いたしました」「御結納の品 幾久敷御芽出度 御受納仕り候也」と文言を書きます。
「以上」はつけてもつけなくてもOKです。また、日付の下に「吉日」をつけてもよいでしょう。
また、相手が目録を準備しているかも分からない場合は以下の受書を準備します。
※関東と関西共通です。
「御結納品 一式」と記載しておけば、内容が分からなくても対応できますよ。日付や宛名は他の受書の書き方と同じです。
結納品受書の包み方と表書きの書き方
受書にも関西式と関東式があり、包み方は目録と同じです。関西式の包み方は関東と関西共通で一般的とされています。
受書は基本的に贈り物ではないため、熨斗や末広などは必要ありません。しかし、相手が結納で豪華なものを用意する場合は、熨斗などがついた華やかな受書を準備しておくのもOKです。
受書の色は女性から男性へ贈る場合は緑と白の紙を選ぶのが一般的ですが、関東では紅白を選ぶ場合もあります。婿養子の場合や結納返しの受書は赤色が基本です。
表書きは「受書」と「御受書」のどちらでも問題ありません。
自分たちで「目録」や「受書」を作成するときの注意点
自分たちで「目録」や「受書」を作成するなら、品目の漢字や名前などを間違えないように注意しましょう。間違いがあると相手の家に失礼となるため、結婚前からトラブルになることも。
特に伝統を重んじる家柄の場合は、書類作成には十分注意を払ってください。
結納までの時間がない場合や文字に自信がない場合は、結納アイテムが揃う通販サイトなどで筆耕も一緒に頼むのがおすすめです。丁寧な目録や受書が手に入るる上、余計な手間も省けて楽ですよ♪
夫婦が関西と関東で分かれている場合はよく話し合いをしましょう!結納品を贈る男性側に合わせるとうまく話がまとまりやすいです。
結納について詳しくチェックしたい人におすすめの記事はこちら♪
結納で準備するのは目録や受書だけではありません。結納金や家族書・親族書など他にも準備すべきものが多いのです。以下の記事では結納金の金額や家族書・親族書の書き方も確認できますよ♪
また、結納を行う際の服装も両家で決めておきたい重要なポイント。
マナー違反にならないよう事前に知識を把握してくために、以下の記事もチェックしてみてください。
最近では略式結納をする方も増えています。略式結納とは何かを知りたい人は以下の記事もあわせて読むよいでしょう。
マナー違反とならないように結納準備をしましょう♪
今回は結納に必要な「目録」と「受書」についての知識を紹介してきました。書き方や包み方など、相手側に失礼とならないように抑えておきたいポイントはたくさんあります。
品目の表記や数え方は地域によって異なり間違えやすいため、自分で作成する際は注意してください。まずは「目録」や「受書」の意味を把握し、両家で話し合って地域や家柄に合ったものを準備しましょう♪