ご祝儀に税金はかかるの?親からの結婚資金援助の扱いについても解説します♡
結婚式でゲストからいただくご祝儀や親からの援助してもらった結婚資金など、結婚にまつわる収入と税金について大特集♪ もらったお金に税金がかかるか確認しておきましょう♡
お金2020.11.16 更新2020.11.16 公開
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目次
結婚のご祝儀と税金についての疑問を解決します♪
結婚にあたってお祝いとしていただくご祝儀は、合計すると数100万円といった金額になることも多いもの。
結婚にはあれこれ出費が多いのでまとまった金額がありがたい一方、「これって税金かかるのかな?」と気になった方もいるのではないでしょうか?
起業や副業をしていて自分で確定申告する人なら「ご祝儀の金額って申告する必要あるの?」と疑問を感じているかもしれませんね。
そこで今回は、ご祝儀と税金について大特集!
- 結婚式でゲストからいただくご祝儀
- 会社から支給される結婚祝い金
- 親から援助してもらうお金
など、結婚のご祝儀としてもらうお金に税金がかかるのかについて、できるだけわかりやすく解説します♡
結婚式でいただいたご祝儀に税金はかかるの?
まずは、ご祝儀に税金がかかるとしたらどんな税金がかかるのか、申告や納税の必要はあるのかなどを確認していきましょう。
ご祝儀に税金がかかるとしたら何税?
通常、生きている個人から無償でお金(財産)をもらったときには「贈与税」がかかります。
贈与税は、ひとりの人が1年間(その年の1月1日から12月31日まで)にもらったお金の合計額から、基礎控除額の110万円を差し引いた額にかかります。
1年間にもらったお金が合計110万円以下なら、贈与税はかかりません。
贈与税は、税金を納める人が自分で税額を計算して納税する「申告納税方式」の税金です。
贈与税がかかる場合、お金をもらった年の翌年2月1日から3月15日の間に申告と納税を行なう必要があります。
結婚式のご祝儀は基本的に非課税
結婚のご祝儀の場合、合計すると夫婦ひとりあたり110万円を上回ることも多いですよね。この場合、贈与税の申告&納税をする必要があるのでしょうか?
基本的には、その必要はありません。
実は結婚のご祝儀については基本的に税金がかからないことになっているんです。
個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞い等のための金品で、法律上贈与に該当するものであっても、社交上の必要によるもので贈与者と受贈者との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものについては、贈与税を課税しないことに取り扱うものとする。
(相続税法法令解釈通達 第21条の3《贈与税の非課税財産》関係-9)
法律なのでちょっと難しい言葉が並んでいますが、「社会通念上相当と認められる」というのはつまり、世間一般的な相場から大きくはずれていないということ。
「常識の範囲内の金額であれば、おめでたい結婚のご祝儀に税金をかけたりしませんよ」ということになっているんです。
勤務先の会社からのご祝儀(祝い金)に税金はかかる?
社員が結婚したとき、3~5万円ほどの祝い金を支給する会社は多いです。会社から結婚祝い金をもらった場合、このお金に税金はかかるのでしょうか?
通常、会社から従業員に支払われる給与等には「所得税」がかかります。会社員の場合、毎月のお給料からの源泉徴収と年末調整という形で所得税を払っています。
ただし結婚祝い金については、所得税は基本的にかかりません。
使用者から役員又は使用人に対し雇用契約等に基づいて支給される結婚、出産等の祝金品は、給与等とする。ただし、その金額が支給を受ける者の地位等に照らし、社会通念上相当と認められるものについては、課税しなくて差し支えない。
(所得税法法令解釈通達 第28条《給与所得》関係-5 雇用契約等に基づいて支給される結婚祝金品等)
ここでもまた「社会通念上相当と認められるもの」という言葉が出てきましたね。
会社からの祝い金についても「一般的な相場の範囲内なら税金は払わなくてOK!」と決められているんです。
税金がかからないご祝儀の金額っていくらまで?
結婚式のご祝儀も、会社からの祝い金も「社会通念上相当と認められるもの」であれば税金がかかりません。
逆に言えば、社会通念上相当と認められる範囲を超えている場合、超えている部分に対して贈与税や所得税がかかることもあるのです。
ご祝儀としての一般的な相場を大きく上回る金額…たとえば極端な話ですが、ひとりの人から1,000万円のご祝儀をもらったとしたら「ご祝儀だから非課税でOK」とは税務署も言っていられません。
もしもそんなことが認められるとしたら、ご祝儀を名目にした脱税が横行してしまいますよね。
相場から大きくはずれなければOK!
「じゃあ実際、いくらまでなら税金がかからないの?」と思われたでしょうか。
でも、具体的な金額は決められていないんです。
ご祝儀の額は、贈る人と受け取る人との関係性や結婚式の規模、地域の慣習などさまざまな要因によって変わってくるため、一律でいくらまでなら非課税といったことは規定されていません。
いただいたご祝儀それぞれについて、一般的なご祝儀の相場から見て大きくはずれていなければ問題ないと考えれば良いでしょう。
ご祝儀の相場については、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください♡
ご祝儀以外に親から資金援助してもらったら税金はかかる?
ゼクシィ結婚トレンド調査2019によると、結婚式を挙げた夫婦の7割近くが親や親族から挙式費用の援助を受けたと回答しています。
親から結婚のために援助を受けた場合、そのお金には税金がかかるのでしょうか?
式や披露宴の代金を支払ってもらった場合
まずは、挙式費用や披露宴の費用を、親が支払ってくれた場合です。
この場合、挙式に実際にかかった費用の支払いを親が負担したということになり、親から子への財産の贈与にはあたりません。贈与税がかかることもありません。
お金を銀行に振り込んでもらった場合
挙式費用など実費を支払ってもらうのではなく、ご祝儀とは別に銀行にまとまったお金を振り込んでもらうような場合、結婚祝いが名目であったとしても贈与にあたります。
この場合、110万円の基礎控除額を上回る部分には贈与税が課せられます。
ただし「結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」という特例を利用する場合は、父母から振り込んでもらった結婚・子育て資金について1,000万円(うち結婚資金に関しては300万円が上限)までが非課税になります。
非課税制度の概要父母などから結婚・子育て資金にあてるため金融機関を通じて財産の贈与を受けた際、結婚・子育て資金非課税申告書を提出することにより、1,000万円まで贈与税が非課税となる制度です。
- 期間:平成27年4月1日~令和3年3月31日
- 利用できる人:20歳以上50歳未満で前年の合計所得が1,000万円以下の人
この制度を利用する場合は、年間110万円の基礎控除とは別枠で結婚資金300万円までが非課税になります。
ただし専用の口座を用意する必要があったり、金融機関に結婚・子育て資金として使った費用の領収書を提出する必要があったりと利用にはいろいろ注意点があります。
制度を利用したい場合は、あらかじめ詳細を確認したうえで検討してくださいね。
【Q&A】ご祝儀や婚礼にまつわる収入、こんなときの税金は?
ご祝儀や婚礼にまつわる収入と税金について「こんな場合はどうなるの?」という疑問にお答えします!
Q.祖父母からの援助に税金はかかる?
A.父母からの援助と同じ考え方でOK!
おじいちゃんやおばあちゃんが結婚にあたってご祝儀とは別に援助をしてくれた場合の考え方も、父母の場合と同じ考え方です。
挙式などにかかった費用の支払いを負担してくれた場合は贈与にあたらないため、贈与税はかかりません。
まとまったお金を振り込んでもらう場合は、親などからもらったお金と合わせて110万円までなら非課税、110万円を超える場合、超えた部分に贈与税がかかります。
また、「結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」は、直系尊属から贈与を受けた場合に利用できる制度なので、祖父母からの資金援助も対象になります。
Q.結納金に税金はかかる?
A.基本的にかからないと考えてOK!
贈与税は原則として贈与を受けた財産にかかりますが、「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」については贈与税がかからないと決められています。
結納金は「御帯料(おんおびりょう)」「小袖料(こそでりょう)」などの名目で、結納品の一つとして贈られます。もともとは着物や帯などの現物を贈っていましたが、次第に現金で贈られるように変化したものです。
結婚生活に向けた準備のための資金、つまり生活費にあてる資金であると解釈できるため、結納金の一般的な金額相場であれば贈与税はかからないと考えてさしつかえありません。
ただし、結納金として受け取ったお金を結婚準備以外の資金として使うと、贈与税の課税対象となるので注意が必要です。
Q.個人事業主や法人として受け取った場合は?
起業している人が会社や個人事業主としてお金を受け取った場合は、収益計上する必要があります。会社の場合は「雑収入」など、個人事業主の場合は「一時所得」として計上します。
一般的なご祝儀には税金はかからないと考えてOK♡
結婚式でゲストからもらうご祝儀や会社からの結婚祝い金、親からの結婚資金援助など、結婚にあたってご祝儀として受け取るお金に税金がかかるかどうかについてご説明しました。
ご祝儀に関しては一般的な相場から大きくはずれない限り、総額に関わらず税金の申告や納税の必要はないと考えて問題ありません。
ご祝儀をくださった方に感謝しつつ、新生活に必要なものの購入など有効に使わせていただきましょう♡