女性の結婚年齢が法律で18歳に?早婚と晩婚で幸せに差がつくか検証
なぜ女性の結婚年齢が引き上げられるのか、わざわざ法改正される理由を調査しました。日本は晩婚化が問題というものの、実態はどうなのかデータの推移や世界との比較で明らかに。さらには結婚年齢によって幸せに差がつくのか、早婚と晩婚の違いについても検証します。
結婚準備のはじめかた2020.3.26 更新2020.3.26 公開
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目次
“結婚年齢”について考えよう
結婚年齢は結婚後の人生に影響するため、何歳で結婚するのが正解なのか気になるところ。これから結婚を考える未婚の女性にとっては、幸せになれる結婚年齢も見極めたいことでしょう。
こちらの記事では、法律によって改正される結婚年齢や日本の平均結婚年齢について解説。社会問題にもなっている晩婚化の実態も調査し、早婚との違い比較をしながら幸せになれる結婚年齢について検証します。
法律で女性の結婚年齢が引き上がるのはいつ?
女性の結婚年齢を16歳から18歳に引き上げようという動きがあったのは2018年です。実際に結婚年齢の引き上げがされるのは国会での成立後ですので、2022年4月1日以降とされています。
なぜ女性の結婚年齢が法律で改正されるの?
なぜ法律を改正してまで女性の結婚年齢を引き上げようとするのか、詳しく理由を見ていきましょう。
民法によって成人年齢が引き下げられるから
民法では成人年齢を20歳に定めていましたが、2022年4月1日より18歳に引き下げられます。成人年齢の引き下げに合わせ、女性の結婚年齢も18歳で揃えるという方針が2018年の閣議で決まりました。
結婚年齢で男女を分ける合理的な理由がないから
これまで女性の結婚年齢を16歳としてきた時代と比べ、現在では男女に年齢差をつける合理性がないため18歳で揃えるとされています。
法律で結婚年齢に男女差をつけたのは明治時代。当時は、「女性の方が男性より早く心身が大人になる」「男性は結婚後に女性をリードしなければならない」「3~5歳差で結婚する夫婦が多かった」などの理由があったためです。
100年以上も時代が進み、現代に合わせる形で結婚年齢の男女差がなくなりました。
実際に16~17歳で結婚する女性が少ないため
女性の社会進出も大きく関係し、18歳未満で結婚する女性が少ないのも結婚年齢が引き上げられる理由です。
16~17歳といえば多くが高校生ですから、中学を卒業して1~2年で結婚する計算になります。中学卒業後は多くの女性が進学や就職をするため、結果的に16歳で結婚を可能とする法律には価値が少ないとみなされています。
ところで結婚年齢の平均は何歳なの?
法律としての結婚年齢や法改正の社会的背景だけでは、自分の結婚を考えたときピンと来ない女性も多いことでしょう。ここでは、実際に結婚をしている人たちの平均年齢を確認しておきましょう。
※いずれも初婚で2018年のデータ(厚生労働省HPより)
日本の結婚年齢は晩婚化?なぜ晩婚が進むの?
法律で認められる結婚年齢と実際の平均結婚年齢には男女とも10歳以上も差があります。ニュースなどでは「日本の晩婚化」について深刻に語られることも。実態としてはどうなのかデータをもとに見ていきましょう。
長年の推移で見ると晩婚化といえる
たとえば、厚生労働省の平均初婚年齢を示す年次推移では、 1995年から2018年まで23年間で明らかに晩婚化していると取れます。
平均初婚年齢の推移 | 女性 | 男性 |
1995年 | 26.3歳 | 28.5歳 |
↓ | ↓ | ↓ |
2014年 | 28.0歳 | 29.8歳 |
2015年 | 29.4歳 | 31.1歳 |
2016年 | 29.4歳 | 31.1歳 |
2017年 | 29.4歳 | 31.1歳 |
2018年 | 29.4歳 | 31.1歳 |
世界の結婚年齢と比べると深刻でもない
グローバルノートより「世界の女性結婚年齢 国別ランキング・推移(2017年)」を見てみると、日本は22位なので深刻さが薄らぎます。1位のスウェーデンに比べると、その差は4歳ほどです。
順位 | 国名 | 歳 |
1位 | スウェーデン | 33.80 |
2位 | スペイン | 33.20 |
3位 | デンマーク | 32.40 |
4位 | ノルウェー | 32.30 |
5位 | イタリア/フランス | 32.20 |
↓ | ↓ | ↓ |
22位 | 日本 | 29.40 |
日本の晩婚化の原因には経済的理由がある
日本が約20年で男女とも3歳ほど晩婚化しているのは事実。いくつが原因があるなかで、「結婚資金が足りない」「仕事が不安定」「低賃金労働である」などの経済的理由が挙げられます。
現代のライフスタイルも晩婚に影響している
「女性は早く結婚するもの」と考えられていた昔に比べ、現代では仕事や趣味、ライフワークなどが多様。つまり「女性の幸せ=早いうちの結婚」という定義は成り立たなくなっています。
男女問わず大きな仕事を任されて夢中になったたり、1人で自由に過ごすことを楽しんだりし、結婚だけが人生の喜びではないだろうという考えから適齢期を逃して晩婚になるケースもあるでしょう。
恋愛離れの増加も晩婚化につながっている
そもそも恋愛離れの若者が増加しているからこそ、晩婚化につながっているという見方もあります。
恋愛離れの理由はさまざまですが、「同性と過ごす方が気楽で楽しい」「自分に自信がなく異性と付き合うことに抵抗を感じる」「結婚を前提にしない交際はコスパが悪いので意味がない」などが挙げられます。
参考:結婚の意思決定に関する分析|内閣府
参考:結婚と出産に関する全国調査|国立社会保障・人口問題研究所
結婚年齢の低い⇔高いで変わるメリットは?
結婚年齢によって得られる「幸せ」があるとしたら、メリットがヒントになるでしょう。結婚年齢の平均から見て早婚⇔晩婚とされる場合のメリットを見ていきましょう。
結婚年齢が低い早婚のメリット
●子供にとって若い「お母さん」「お父さん」でいられる
●親(祖父母)も若いので子供(孫)の面倒を見てもらいやすい
●マイホームなど将来の計画が立てやすい
●子供が結婚して独立した後に夫婦で楽しむ人生が長く残っている
結婚年齢が高い晩婚のメリット
●精神的に落ち着いているので夫婦円満になりやすい
●経済的な面で結婚生活を安定させやすい
●年齢的に成熟しているため親など周囲から反対されにくい
●いろいろな経験をしているので結婚生活での対応力が期待できる
●周囲から「ようやく春が来たのね」と祝福してもらいやすい
結婚年齢が低い⇔高いで生じるデメリットは?
年齢によって結婚を悲観する必要はありませんが、年齢のせいにして「この結婚は幸せじゃなかった」と後悔したり相手を責めたりしないよう、デメリットも確認しておきましょう。
結婚年齢が低い”早婚”のデメリット
●お互いが早婚だと精神的に成熟していないため衝突しやすい
●社会的な経験が少ないためトラブルなどへの対応力が低くなる
●子育てに追われて自分の時間が少なくなる
●結婚後に自分のやりたいことが見つかると家庭との両立が難しい場合がある
結婚年齢が高い”晩婚”のデメリット
●子供を希望しても妊娠できない可能性がある
●体力的に子供育てがきつくなるかもしれない
●自分の子供なのに孫と間違われる場合がある
●子供の結婚や孫の誕生などを見届けられない場合がある
もし結婚年齢のことで周囲にプレッシャーをかけられたら?
いつの時代も「まだ早いんじゃない?」「もう結婚しないと一生独身よ?」など、周囲から結婚のプレッシャーがかかるもの。場合によっては交際相手からの「そろそろどうなの?」という無言メッセージも。
ここでは、周囲からのプレッシャーを上手くかわすためのヒントを紹介します。ただ煙たがるのではなく、自分のスタンスに最も近いものを見つけて周囲を安心させたり、静かに見守ってもらったりなどしてくださいね♡
「○○が落ち着いたら真剣に考えます」
たとえば仕事に熱中しているとき、具体的な時期やプロジェクトを示します。「今は仕事しか考えられない」というと親や恋人は不安になりますので、「今は仕事に集中しているけれど、近い将来には前向きに考えるから」と答えると丸く収まるでしょう。
「ところで結婚してよかったことは?」
もし、親や兄妹、既婚者の友人などが結婚をせかしてきたなら、「そんなに結婚っていいもんなんだね。○○が結婚して一番よかったことは?」と質問してみては。角が立たないように、インタビュアーのように興味津々で聞きながら話題を少しずつ逸らしましょう。
「いい人がいたら紹介してほしい」
あなたがシングルなのに結婚を強く勧められるなら、「いい人がいたら紹介して」とお願いするのもひとつ。結婚の意思があっても縁がないということであれば、相手は諦めるしかありません。もしかしたら、思いがけず良縁を運んでくれるキッカケになるかも。
「早く子供がほしい」「早く孫に会わせたい」
「まだまだ結婚しなくても……」などと結婚を思いとどまるよう提案されたら、未来の赤ちゃんの話をするのは”効き目”があります。女性にとっては年齢的な制限がありますし、親にとっても孫が欲しくない人は少ないはずです。
「でも○○(有名人)は〇歳で結婚したよ」
有名人には、早婚から晩婚まで幅広い顔ぶれが揃っていますので、自分の年齢で結婚した誰かを例にするのも◎ そもそも結婚したいと思った年齢が適齢期なのですから、「何歳で結婚しても幸せになってるよ」ということを例え話で伝えるのは有効です。
結婚年齢は時代や社会背景によって影響を受けるもの
ここまで、結婚年齢について法改正や平均年齢の推移、世界との比較など幅広く解説してきました。ここまでの内容を簡単に振り返っておきましょう。
●日本での結婚年齢の平均推移は上昇傾向にある
●日本の結婚年齢は晩婚化しているが世界的に見ると深刻ではない
●日本の晩婚をすすめるのは経済的理由やライフスタイルなどが原因である
●早婚か晩婚かで幸せが決まるのではなく結婚に求めるのもで変わる
結婚年齢は、時代や社会背景の影響を反映していることがわかりました。法律で認められるからといって誰もが早婚を望むわけではありませんし、晩婚を望んでいなくても婚期を逃す人もいます。
結婚そのものがライフスタイルの変化となりますから、「早い」「遅い」という基準ではなく、それぞれが結婚になにを望み、どのような人生にしたいかを基礎にして自分の”適齢期”を見つけられるといいですね*